ブログ
日本人と欧米人の「歯」に対する意識の違いについて
こんにちは、矯正歯科医の宮島です。
みなさんは、日頃どのような理由で歯科医院へ行きますか?
恐らく「歯が痛いから」や「虫歯になったから」という人がほとんどではないかなと思います。
中には、「自分の歯並びが気になる」という理由で歯科医院へ行く人もいると思います。
今回は、歯並び・噛み合わせに関するある意識調査の記事を見つけたので皆さんにお伝えしたいと思います。
日本での「歯並び」に関する意識調査です。
日本人は「歯並び」の意識は高いのでしょうか?
歯並びや噛み合わせなどについて、男女1000人に意識調査をした結果を見てみましょう!
70パーセント以上が歯並びは第一印象を左右すると回答
その一方で、自分の歯並びに満足している人は27.7パーセントのみという調査結果だったそうです。(資料①を参照)
(資料①)
参考文献:「歯並びと噛み合わせのガイドブック」
「歯並びは第一印象を左右する」と答えた人が71%
「自分の歯並びを気にしている」人が62%
「歯並びについて歯科医相談をした事がある」人は27%
「実際に治療を受けたことがある」人はわずか9.9%
このアンケートの結果からも分かるように、歯並びは第一印象を左右するし、自分の歯並びを気にしている人は多いはずです。
しかし、実際に歯科医院で相談をしたり、治療を受けたことのあるひとは、ごくわずかなようですね。
分かってはいるけれど、実際には歯科医院へ行っていない…
その理由とはいったい何なのでしょうか?
矯正歯科でいうと…
費用が高額
治療の期間が長い
痛そう
通院のタイミングが合わない
良い歯科医院がない
という理由が挙げられると思いますが、はたして本当にそうなのでしょうか?
2011年3月28日の中日新聞の記事です。
この新聞記事でも取り上げられている様に、生涯の医療費は歯が健康なほど、最終的に安くなるということが最近の研究で明らかになっています。
歯科医院で歯の治療を受ける時に「これから、一生の健康のため」と考えて、治療を受けているという人は、ほとんどいないと思います。
これは中部経済新聞の記事ですが、最近の研究で、実際に虫歯のばい菌が原因で、「脳出血のリスクが4倍になる」「大腸炎のリスクが4倍になる」といったことも、しっかりと証明されています。
虫歯や歯周病の予防歯科治療を受けること、虫歯や歯周病になったら放置せずに早く治療を受け再発防止に予防歯科治療を受けること、歯が抜けた部分を放置しないこと、そして『虫歯や歯周病の原因になる悪い歯並びは矯正治療をして歯の寿命を長くする』、この様に歯科医院に通って正しく歯科治療を受けることこそ、生涯の医療費を抑えて、健康寿命も長くするという理想的な方法なのです。
矯正治療は保険も効かないため、治療を受ける一瞬の感覚で考えれば、確かに治療費は高いと感じると思います。
しかし、例えば「矯正治療で歯並びを治しておくことで、色んな病気を予防することができる。
将来の健康を買うことができる。」と考えれば、矯正治療と同じ金額で買える他の物と比べた時、矯正治療の本当の価値が見えてくるのではないでしょうか。
経済的に考えても、一生の期間で考えれば、矯正治療に支払った金額分の元は取れるかもしれませんね。
欧米の方々は、「生涯の健康は歯で決まる」ということをよく理解しています。
参考までに、下の表は、ライオンさんが2014年に行った日本、スウェーデン、アメリカの3か国のオーラルケアに対する意識調査の結果の一部をご紹介します。
「歯のトラブルは未然に防ぐ、予防する」文化の欧米では、虫歯や痛みがなくても定期的に歯科医院へ足を運ぶ習慣があります。
日本の場合はどうでしょうか?
意識の違いをまとめると、
日本…虫歯や歯周病などは「治療」をして治すもの
欧米…虫歯や歯周病などは「予防」して未然に防ぐもの
最近、日本でもビジネスパーソンや芸能人、モデルさんは歯並びを整え白くきれいな口元の方がとても増えていると思います。
歯に対する意識も変化が起きているようです。
また最近の芸能人のSNSでは、
「今日は歯のクリーニングへ行ってきました」
と歯科医院へ通っている記事を見かけることも多くなりました。
今一度、自分の歯が健康な状態なのか?をチェックしてもらう習慣を作ってみてはいかがでしょうか?
是非、気軽にお近くの歯医者さんへ行ってみましょう。